このサイトでは、鴻上尚史(こうかみしょうじ)の紹介を中心に、 彼の今までの生きてきたプロセスや主催した劇団、「第三舞台」について、そして彼の著書について述べています。
鴻上尚史について関心を持っていただければ幸いです。
03 鴻上尚史の本
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説明的要素
鴻上尚司の本には一切の余計な注釈がありません。
読み手の感じ方に全て委ねられているという自由さがあります。登場人物に関しても、どういった人物なのか、設定さえも明らかではないまま物語の中で徐々に明らかになってゆきます。
説明的要素がないのにも関わらず、登場人物のキャラクターは非常に濃く、読者に深く刻まれるという技巧の凝らされた内容に、驚くことはまず間違いありません。
よく登場人物に関する説明箇所が巻頭に書かれている戯曲を目にしますが、私個人としてはそういった部分に興ざめしてしまいます。
なぜなら、どうして物語がこれから始まり、説明などなくともその人物の設定、物事の捉え方、癖などを台詞などから想像できることが戯曲の楽しみであるのに関わらず、巻頭でお節介をするのか、と思ってしまうからです。
手品で言うならば、巻頭に種明かしをしてしまうようなものだと思っております。
その点、鴻上尚司の本にはそれがありません。説明的要素は極力抑えられ、読者の考察力に委ねられているという点は、戯曲作家としての自信が大いに感じられ、こちらも存分に物語りに浸ることが出来ます。